大判例

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東京地方裁判所 昭和49年(特わ)1740号 判決 1975年2月19日

被告人

本籍

東京都練馬区東大泉町六八九番地の七

住居

右同所

会社役員

熊倉正三

昭和二年八月二八日生

被告事件

所得税法違反

出席検察官

田中豊

主文

被告人を懲役一年および罰金三千万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、株式会社保谷硝子のクリスタル営業部長、株式会社保谷クリスタルの取締役及び株式会社ケンコーの監査役を兼務するかたわら、継続して商品の先物取引を行っていた者であるが、自己の所得税を免れようと企て、昭和四八年分の実際所得金額が一九八、三九七、六二二円あったのにかかわらず、昭和四九年三月一三日東京都練馬区栄町二三番地所在の所轄練馬税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が八、七三〇、〇〇〇円であり、これに対する所得税額は右所得に対する源泉徴収税額を控除すると、二二六、二〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同年分の正規の所得税額一三四、二四五、二〇〇円と右申告税額との差額一三四、〇一九、〇〇〇円を免れたものである。(正当税額および逋脱税額算定の経過は別紙第一、第二、第三のとおり。)

(証拠の標目)

一  被告人の

(一)  当公判廷における供述

(二)  検察官に対する供述調書

一  被告人に対する収税官吏の質問てん末書

一  熊倉弘子の検察官に対する供述調書

一  次の者に対する収税官吏の各質問てん末書

中田正二、池田繁、熊倉弘子

一  大泉電話局長作成の捜査関係事項照会回答書

一  第一勧業銀行石神井支店長作成の証明書

一  収税官吏作成の査察官調査書類

一  押収してある昭和四八年分所得税確定申告書一袋(昭和四九年押第一八八〇号の1)、委託者別先物取引勘定元帳一〇袋(同号の2ないし11)、同元帳二綴(同号の12、13)

(法令の適用)

1  罰条と刑種の選択

所得税法二三八条一項、二項(懲役刑と罰金刑を併科)

2  換刑処分

刑法一八条

3  懲役刑の執行猶予

刑法二五条一項

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 日浦人司)

修正損益計算書

熊倉正三

自 昭和48年1月1日

至 昭和48年12月31日

別紙第一

<省略>

修正損益計算書

熊倉弘子

自 昭和48年1月1日

至 昭和48年12月31日

別紙第二

<省略>

税額計算書

別紙第三

<省略>

(注1) 197,890,000×75%=148,417,500

148,417,500-12,284,000=136,133,500

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